「黙っていても患者は勝手に来る」時代の終焉
ここ数年、クリニックは増加し続け、今ではコンビニや歯科よりもはるかにその数は多く、患者様獲得に向けての経営観念が重要になることは避けられません。
コンビニエンスストア数は統計調べで54,882件、また歯科は68,913件、そしてクリニック数は101,580件に及び、まさにコンビニの2倍、歯科の1.5倍であるのが現状です。(H30.4)
近年、団塊の世代が高齢化し、これから数年患者数が多くなる一方、日本の人口全体は減少傾向にあるので、高齢者のみのターゲットでいくとここ数年は見込めても、クリニックの存続をこれから何十年単位で考えていくなら、先の動向まで見据えていく必要があります。
もう、昔のような「黙っていても患者は勝手に来る」時代は終わりました。
そしてSNSが発達するにつれ、患者さんは医療機関を選択する範囲が増え、そして不満なことはすぐに口コミにあげることが容易に誰でもできる時代になりました。
必要以上にビクビクする必要はないものの、「危機管理」はますます重要な時代であると言えます。
しかしながら、それだけ先を見据えて素早く経営者目線で現場環境を考えているところは現状意外に少なく、それどころか明日の経営すら危ういギリギリの環境で、危機感さえ無く経営しているところがほとんどです。
では、なぜそんな環境でも気づかないのでしょう。
それは、先生方が「他のクリニックと比べる術がない」からだと思います。
ドクターは、勤務医から開業医になると、急に視野が狭くなります。
懇親会と称した先生同士の集まりもあると思いますが、そこで何かしらの情報を得られても、実際の現場の知りたい内容は、ほとんど得られてないのが現状ではないでしょうか。結局差し障りない保険請求の話題や医療についての話はできると思いますが、自院の取り組んでいる業務内容や問題を抱えている内容等は敢えて話していないように感じます。
「他のクリニックの患者数はどれくらい?」
「他院は問題や困りごとはないのだろうか?うちだけなのか?」
とても気になるところです。
私がこれまでコンサルタントをしてきたなかで、繁盛し安定しているクリニックは、皆次の5つのポイントをしっかり押さえて経営されています。
繁盛クリニックの5つのポイント
①「ドクター」と「開業医」の二つをバランスよくこなしている。
②『チーム力』をおろそかにしていない。
③スタッフ教育を慌てず根気よく継続的に続ける。
④『スタッフ確保への投資』を惜しまない。
⑤リピートされるための器づくりを重要視している。
全て基本的で地味な内容ですが、土台の構築と現場環境への投資はこうした経営戦略を持っていないと、今後ますます激戦が予想されるクリニック経営で生き残り、繁盛していくことは困難になるでしょう。必ず最初は足元から崩れていきます。
一度改めて今の環境を振り返ってみてはいかがでしょうか?
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