医療現場で必要なチーム力とは

2019/12/13 ブログ

『チーム力』とは簡単にいえば、一人の力では目指せないレベルの目標を、複数がチームとして力を発揮することによって達成できるということを言い、最近では業種に関係なくよく耳にします。ではその『チーム力』とは具体的にどのような状態を言うのでしょうか?

 

医療機関様によって、チーム力の定義は同じではないと思いますが、確実に間違って解釈しているところがあります。

 

それは、仲が良いイコールチーム力と勘違いすることです。

 

特にクリニックは女性のスタッフがほとんどですので、実際人間関係も大変だったりすることもあると思います。関係が悪いところはチーム力以前の問題ですので、仲良くやれているだけでも「良し」としなければならないかもしれません。しかし、「仲良くやれている」イコール「うちはチーム力がある」と思うのはどうでしょうか。実際、仲の良さが逆に医療機関にとって裏目にでている場合もあります。

 

仲の良さが裏目にでる場合

・失敗したことをお互いかばい合って軽く済ませてしまい、次の反省に生かせてない。

・自分の部署だけで確立してしまい、他部署の業務に全く興味を持たず、繋がりを感じられない

・緊張感がないので、逆に業務の動きが悪い(ダラダラやっている)

・なんでも自分たちの都合のいいように解釈して解決してしまう

・失敗を隠す

 

チーム力とは、常に程よい緊張感と距離をもつ事が必要であります。

理想は、業務中と業務外の気持ちを切り離して行動することだと思いますが、実際はなかなか線引きが難しいです。それでも仲が良いだけでは決してチーム力が良いとは言えません。それなら極端にいえば、そんなに仲が良くなくてもしっかり線引きして、業務中だけでも繋がりをもってやってくれた方がいいわけです。ただ、実際チーム力のある現場は何をとってもほぼ問題がなく、また毎日の業務も滞りなく同じ状態で難無くやれているところが多いです。

実際、チーム力が保たれているところ

≪スタッフ同士仲は良いが、患者さんの前では線引きできている≫

・適度な距離感を心得ている。

・患者さんの前でお互いため口での会話や友達のような接し方をしない。

≪全部署で把握することへの情報共有ができている≫

・同部署同士で把握したら、必ず他の部署でも必要な内容はすぐ伝えにいく。

・なるべく情報共有を後回しにしない。常に同じ情報が早い段階で出来ている。

≪部署ごとの境界線を作らない≫

・一つの部署が忙しそうなときはできそうなことを進んで手伝う。どの部署も損得勘定なしで、助け合う気持ちを持っている。

・その部署しかできない事(医療行為や会計業務など)以外は誰もがやるという高い意識をもっている。

 

何事もチーム単位(クリニック全体)で患者さんの状況を共有し、また全員同じレベルで業務をこなすことを自然に行っています。

 

チーム力とは、適度な距離の人間関係と、個々に情報を抱えこまず常に情報を共有すること。そして、他の部署業務にも興味をもって、積極的に関わることであると思います。患者さんから何か質問された時に、全く知らない・分からない態度をされると、とても不安になりますし、共有することを意識していないレベルの低いところだとすぐばれてしまいます。

全部をリアルタイムで共有することは、忙しい中とても難しい部分ではありますが、だからと言ってすべてを「忙しい」で片づけるのではなく、みんなが心ひとつにやっていこう!という志で取り組む姿勢こそが真のチーム力であると考えます。