医事業務管理技能認定試験の概要・難易度など解説

新しいシステムにも柔軟に対応できることを証明できる資格、医事業務管理技能認定試験。
その内容や出題範囲のほか、国がすすめている新しい請求方法についても書いています。

概要

医事業務管理技能認定試験は平成23年から実施されている、比較的新しい資格です。
というのは、以前は1級と2級があった「メディカルクラーク®」が今のような一つの資格になったとき、旧「メディカルクラーク1級」に代わる資格として新設されたのが、この医事業務管理技能認定試験だから。

現在の「メディカルクラーク®」よりさらに上のレベルに位置しており、診療報酬請求業務(※1)や安全管理などに関する知識やスキルを証明できる資格です。合格すると「医事業務管理士®」と名乗ることができます!

医事業務管理技能認定試験は、今まで行われてきた「出来高請求」(※2)に加えて、最近ニーズの高まっている「DPC包括評価請求」(※3)にも対応しているのがポイントです。

(※1)「診療報酬請求業務」とは、患者さんの加入している健保などの保険者に、医療費を請求する業務のこと。

患者さんが受けた医療行為の保険点数にもとづいて診療報酬明細書(レセプト)を作成し、保険者が負担するぶんを1点10円の計算で請求する業務のことです。

(※2)「出来高請求」とは、医療行為ごとに決められた点数で医療費を計算する方式です。
「点滴注射は1日につき100ml以上なら〇〇点、500ml以上なら〇〇点、乳幼児はさらに〇〇点加算」「エックス線診断はアナログなら××点、デジタルなら××点」というように、診療報酬の点数はとても細かく決まっています。(保険点数のガイドブックは電話帳なみの厚さだとか…!)

このように、行った医療行為に点数をあてはめて医療費を計算するのが出来高請求です。

(※3)「DPC包括評価請求」とは、DPCと出来高請求を併用する支払い(請求)制度です。対象は、制度を導入している病院の入院患者さんです。

DPCは「病状などから点数を決める基準」で、たとえば「関節リウマチ・手術なし・処置なし・入院6日以下→◯◯点」というように定額を決めるのがDPCです。ただし、これがあてはまらない医療行為もあるため、出来高方式も併用するのが「DPC包括評価請求」なのです。

最近では、DPC/PDPSとも呼ばれてきています。PDPSとは、「1日当たりの支払い制度」という意味で、よりこの制度の意味を的確にあらわすのでこの呼び名が使われるようになってきました。

(この記事内では、試験の主催団体HPに合わせてDPC包括評価請求と呼んでいますが、これもDPC/PDPSと同じ意味です。)

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)とのちがい

医事業務管理技能認定試験と医療事務技能審査試験とのちがいは、以下の2点にあります。

  • DPC包括評価請求の知識と技能を問われること
  •  

  • 公費負担医療制度、法関係、安全管理などの、より専門的な知識と技能が問われること

試験の詳細

医事業務管理技能認定試験の受験の詳細についてです。

試験日程

年3回(7月、11月、3月)に実施されています。
試験日の2ヶ月前より、二週間前までが申し込み受付期間です。

試験会場

各都道府県内の公共施設などで実施されています。

受験資格

医事業務管理技能認定試験に受験資格はありません。どなたでも受験できます。

受験料

受験料は税込み8,000円です。(2018年現在)

合格率

合格率は50〜60%です。

合格ライン

合格には学科試験と実技試験I・IIの全てにおいて70%以上の得点が必要です。

主催団体

医療事務技能審査試験は一般財団法人・日本医療教育財団が実施しています。

40年以上の歴史ある財団で、医療事務技能審査試験のほかにも以下のような医療事務の関連資格の試験を実施しています。

  • 医療事務技能審査試験
  • 医師事務作業補助技能認定試験
  • 医事オペレータ技能認定試験
  • 医療秘書技能認定試験
  • 診療情報管理技能認定試験
  • クリニック事務技能認定
  • 調剤報酬請求事務技能認定
  • 歯科助手技能認定
  • 歯科助手技能認定
  • メディカル・フロント・コンシェルジュ技能認定
  • ケアクラーク技能認定試験

日本医療教育財団の連絡先は以下の通りです。

〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-2-10
一般財団法人 日本医療教育財団
http://www.jme.or.jp
TEL:03-3294-6624(代)​
FAX:03-3294-1787

試験の内容

試験の内容については次のことを調べました。

  • 試験の方式・出題範囲
  • 公式テキストはあるか
  • 就職に有利か
  • 難易度・資格取得までの平均勉強時間
  • 対応講座があるスクール

試験の方式・出題範囲

試験の方式

試験は13時15分から開始され、全部で180分です。時間の内訳は以下の通りで、それぞれの合間に10〜15分の休憩を挟みます。

実技I 記述式2問・50分
設定された役割と状況に応じ、実際に対応する言葉を記述します。
学科 択一式25問・60分
実技II 診療報酬明細書点検
(出来高3問・包括1問)・70分
カルテとレセプトを照合し、誤りや記入もれを訂正し、正しいレセプトを完成します。

医事業務管理技能認定試験ではすべての時間で参考資料を見ることができます。

出題範囲

学科

1 医療事務総論 病院の業務や機能、患者心理やこれからの病院医療について出題されます。
2 医療関連法規 医療法をはじめとした、各種法規について出題されます。
3 医療保険制度 各種医療保険や組合、制度について出題されます。
4 安全管理 院内感染の防止対策、個人情報保護などについて出題されます。
5 公費負担医療制度 公費負担医療に関連する各種法律について出題されます。
6 諸法関係 労災、公務災害、自動車損害賠償保障などの法律について出題されます。
7 医学一般 人体に関する知識、病気や診断の知識について出題されます。
8 薬学一般 医薬品にかかる法律、分類、作用などについて出題されます。
9 医事業務 医事担当者としての心得や、受付業務、診療報酬、DPC/PDPS包括評価制度(※4)などについて出題されます。
10 診療録 カルテ管理業務や医療用語について出題されます。
(※4)DPC/PDPS包括評価制度という表記も、「DPC包括評価請求」または「DPC/PDPS」と同義です。

実技I

コミュニケーション ①医事科での患者応対②院内コミュニケーション、それぞれについて出題されます。

実技II

診療報酬請求事務 ①出来高②包括評価請求(※5)について出題されます。
(※5)「包括評価請求」も、「DPC包括評価請求」または「DPC/PDPS」と同義です。

公式テキストの有無

資格を主宰している日本医療教育財団に、医事業務管理技能認定試験に対応した講座があります。
また、試験に対応した問題集の「医事業務管理演習問題」があります。こちらは日本医療教育財団で直接購入できます。

就職に有利か

「医事業務管理技能認定試験」または「医事業務管理士®」の歴史がまだ浅いからでしょうか、この資格を応募の条件としている求人は今のところ少ないです。

「医事課」「医事担当」「DPC業務」としての求人は多くあるため、比較的知名度のある「メディカルクラーク®」よりさらにレベルの高い資格であること、DPC包括評価請求の知識もあるということをアピールすることは有利になるのではと思います。

医事業務管理技能認定試験の合格で目指せる職場は、

  • 病院
  • 医院・診療所・クリニック
  • 医療事務代行会社
  • 支払い審査機関

などが代表的なところです。

難易度・資格取得までの平均勉強期間

医事業務管理技能認定試験の難易度は、「高い、やや高い、普通、やや低い、低い」の中の「やや高い」にあたります。

資格取得までの平均勉強時間は協会公式の通信講座で9ヶ月となっています。DPC包括評価請求の部分を強化するということなら、「ヒューマンアカデミーたのまな」や「ソラスト」の通信講座だと3ヶ月で身につけられるとのことです。

対応講座があるスクール

医事業務管理技能認定試験に対応するスクールを調べました。

通学講座のスクール

なし

通信講座のスクール

  • 日本医療教育財団の「医事業務管理講座
  • ヒューマンアカデミー「たのまな」(DPC請求事務講座)(※6)
  • ソラスト(DPC講座)(※6)
(※6)たのまなとソラストは医事業務管理技能認定試験対応講座とはなっていませんが、出題範囲のうちDPC包括評価請求の実務能力を習得できる講座です。

大学・短期大学

なし

専門学校

  • 東北保健医療専門学校
  • 岩国YMCA国際医療福祉専門学校
  • アール情報ビジネス専門学校
  • 筑波保育医療専門学校
  • アルスコンピュータ専門学校
  • 宇都宮ビジネス電子専門学校
  • 広島情報ビジネス専門学校
  • 広島YMCA専門学校